2025年10月、知り合いから「探究メンターに興味ありますか?」と声をかけてもらいました。
即答しました。面白そうだったので。
壁打ち係の仕事
三重県立津高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けた、このあたりでは有数の進学校です。その探究学習の時間に、社会人メンターとして入らせてもらいました。
役割は「壁打ち係」。
生徒たちが進める探究テーマに対して、外側から問いを投げます。
めっちゃ面白いやん。なんでそれをやろうと思った?
今後どうしていくん?
その調査やと根拠が薄いんちゃう?
答えを教えるのではなく、問いを重ねていく仕事です。100分のセッションを7回。振り返ると、なかなかの密度でした。
見えてきたこと
津高校の生徒は鋭いです。発想のスピードも、言語化の力も、高校生とは思えないグループがいくつもありました。
一方で、気になるパターンも見えました。
答えを取りに行く探究。
あらかじめ「こういう結論になるはずだ」という予測を立てて、それを裏付けるためにテーマ設定をしているように思えるグループもありました。100点を狙いにいく感覚、とでも言えばいいか。それ自体は悪いことではないですが、探究の面白さはそこじゃない気がしました。
別のグループでは、調べたらわかる問いをテーマにしてしまっていることもありました。答えのない問いに向き合い、うんうん唸りながら深掘りしていく体験――そこにある面白さに、まだ気づけていないのかもしれません。
距離が縮まるまで
最初は、当然距離がありました。見ず知らずのおじさんが突然来て、質問を投げてくる。警戒されて当然です。
それが変わってきたのは、何度も顔を合わせていくうちのことでした。
生徒の方から話しかけてくれるようになりました。「それって〇〇じゃないですか?」という問いに「確かに!でもどうすればいいんやろ」とキャッチボールができるようになってきました。
信頼は、積み重ねでしかできないと改めて実感しました。
第三の大人でありたい
やってみて、若い世代の発想の面白さに何度も驚かされました。
高校生の今この時期に、答えのない問いと格闘した経験は、大人になってからの人生の軸を作る原体験になるんじゃないかとも感じています。
自分がメンターとして何を提供できるかを考えたとき、「親でも先生でもない第三の大人」という言葉が浮かびました。担当の先生は「生徒との斜めの関係」とおっしゃっていて、まさにそれだと思いました。
評価もしない、管理もしない。でも、問いを持ち込んで一緒に考える。そういう存在になれたらと思っています。
そのためには、自分自身が楽しそうに仕事をして、人生を楽しんでいる背中を見せ続けることが必要だとも思っています。「あの人みたいになりたい」と思ってもらえるような大人でいたいです。
2026年1月、今年度の活動は一区切り。来年度も声がかかれば、続けたいと思っています。
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